1月28日(水)
【フォーリャ・デ・サンパウロ紙二十七日、時事二十六日】「平和を維持し、除外されている国の意思を尊重しよう」。国外で常にそう訴えているルーラ大統領は二十五日からインドを訪問している。
二十六日、ニューデリーの大通りに作られた防弾ガラス入りの名誉席に招かれたルーラ大統領は、インドのアブドゥル・カラム大統領とアタル・B・ヴァジパイ首相ともにインド共和国建国記念五十五周年の記念式典パレードに臨席した。
二時間二十分にわたる軍隊のパレードでは、ミサイル「Prithvi」「Agni II」が「国民の誇り」として披露された。三種類のタンクも登場。兵士たちは正装で行進した。約八十万人の観客がパレードを楽しんだ。
インド政府はテロ攻撃を恐れ、約六万人の警官を用いて厳重な警備態勢をしいた。世銀によるとインドは、予算の一〇%に相当する百五十億ドルを国防面に回している。
大統領は二十五日から、宇宙の平和利用、観光や文化交流の促進などに関する五つの二国間協定に調印している。また、ブラジルなど四カ国でつくるメルコスル(南米南部共同市場)とインドの包括的通商協定にも調印した。
ルーラ大統領は記者団に、通商協定がインドと南米諸国の「自由貿易に向けた道筋を示すものだ」と述べ、将来の自由貿易協定(FTA)に意欲を示した。ブラジルとインドの貿易は近年増加傾向にあり、二〇〇二年は十二億ドルに達した。
ブラジルは昨年のルーラ政権発足後、インドや南アフリカ共和国など通商関係拡大をてこにした関係強化を提唱。中国などを含めた途上国による自由貿易地域設立も将来的に考えている。
二十八日、ルーラ大統領はインドからジュネーブへ向かう。