1月27日(火)
サンパウロ四百五十年を記念するお祭り行事が相次いだ二十五日、和太鼓、YOSAKOIソーランの芸能グループもこれに参加、日系の存在感をアピールするとともに、多くの観衆の心をつかんだ。一方、イビラプエラ公園の日本館を管理するブラジル日本文化協会は同館を無料開放。いけばな、茶道などの実演会を催し延べ五千六百人以上の市民が訪れ日本文化に触れる機会をもった。
一日歩行者天国となった五月二十三日通り。各コロニア団体による民俗芸能祭には、美容グループ「蒼鳳」のYOSAKOIソーランチームが日系社会を代表し演舞を披露した。
三十一の地区役所が主催したイベントでは、フォルモーザ・カロンらの芸能団体として「琉球國祭り太鼓」のメンバー約三十人が出演。太鼓のリズムに躍動感ある踊りを交えた沖縄芸能を見守った市民から「日本のサンバだ!」の声が飛んでいた。
セー地区の催しには「ブラジル助六太鼓」の六人が登場した。各地区役所ごとに三つの芸能を用意することで決まっており、コーディネーターのグッテンベルグ・ソウザさんは「わが区域は雑多な魅力がある。そこでジャズ、アシェ、太鼓の三つを演目に選んだ」。
当初、「丹下セツ子太鼓道場」の参加も予定されたが、この行事に関して具体的なことが通達されたのは「昨日、土壇場になってから。間に合わなかった」とリベルダーデ文化福祉協会の高橋五男さん。
「ブラジル助六太鼓」は丹下道場から独立して三カ月余りのグループでこの日が初の大舞台。リーダーの島田加代さん(二世、十七)は「五歳から叩いているので緊張はありません」。「祭り太鼓は記念日にぴったり。丹下道場の分も一生懸命演奏したい」と笑顔だった。
市民の憩いの場、イビラプエラ公園は普段を上回る混雑をみせた。とくに無料開放された日本館と、よさこい・ソーランと和太鼓の発表会(計十八チームが参加)に合わせて一万人以上の人出があった。
日本館では甲冑や蒔絵などが陳列される展示コーナーに一時長蛇の列。午前中から折り紙や漢字の教室が行われ人気を博したほか、茶道、琴の実演を熱心に見守る姿も目に付いた。
文協の中島エドゥアルド事務局長は「暑いなかにも難しい日本文化の説明に静かに耳を傾けていた。日本文化普及の可能性を確認できた。次につなげたい」。
サンパウロ大学創立七十周年式典を前に顔を出した上原幸啓文協会長は「午前中だけで二千五百人が来場したと聞いた。経済的に恵まれない家族が多いようだ。少しでも日本文化に触れてくれたのはうれしいこと」と感想を語っていた。