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リオ市銃撃戦で14人死亡=麻薬組織同士が抗争=縄張り争いに市民巻き添え=数カ月に50人虐殺

1月24日(土)

 【アゴーラ紙、エスタード・デ・サンパウロ紙、フォーリャ・オンライン二十三日】リオデジャネイロ市で二十一日夜から二十二日未明にかけて、麻薬組織絡みの銃撃戦が二件起こり、十四歳の少年を含む十四人が殺害された。殺された十四人のうち、一人は事件に無関係の市民、残りは犯罪組織のメンバーだったという。同じく無関係の十一歳の少年と男性も負傷している。麻薬取引場所をめぐる麻薬組織の抗争によって、過去数カ月間に少なくとも六件のシャシーナ(大量虐殺事件)が発生。昨年七月から今月二十二日までに、約五十人が命を落としている。

 二つの事件は、わずか五時間の間に起きた。
 リオ市西部サンタ・クルス区トレス・ポンテス貧民街では二十二日未明、男性五人と女性一人が射殺された。犯罪組織TCP(純第三コマンド)とADA(友の友)が、同地の麻薬取引所の所有権を争ったとされる。
 警察によると、トレス・ポンテスのシャシーナは二十二日午前四時ごろ発生。ADAの管理下にある隣りのジヴィネイア貧民街の麻薬密売人らが、TCPの縄張りトレス・ポンテス貧民街に侵入。麻薬取引に関係していたTCP組員三人のいた家を襲った。
 家の中で殺害された六人の中には、兄弟が二人いた。フロール・L・ソウザさん(三〇)という女性もいた。八歳のWちゃん、六歳のLちゃん、五歳のTちゃんの母親だった。「男が二人家に入って、電話を撃ってお母さんを殺した。お母さんが死んだ後、上に毛布をかぶせてあげた」と、Lちゃんは話した。
 同日夜、同貧民街でさらに三人の男性の遺体が発見された。警察は、今回のシャシーナと関係があるとみている。
 同市北部マレー複合貧民街の事件は二十一日午後十一時発生。麻薬密売人と思われる五人が、軍警との撃ち合いで死亡した。十一歳の少年を含む二人が抗争に巻き込まれて負傷している。
 軍警約十五人は約四十分にわたって、同貧民街内にあるヴィラ・ド・ジョアン団体とエスペランサ団体の麻薬密売人約十人と撃ち合った。軍警はパトロール中、偶然密売人らと出くわしたという。
 二十日夜にも同地で銃撃戦があり、一人が死亡、七人が負傷している。
 二十二日夜には、北部グアダルッペ区のムキッコ貧民街で、軍警官二人が銃撃されている。
 さらに二十三日には、麻薬密売人二人が射殺される事件も起きた。北部ヴィラ・イザベル区モーロ(貧民街のある丘)・ドス・マカコスで同午前五時ごろ、市警麻薬対策課と同銃器・爆弾対策課の市警官らが強制捜査に踏み込み、麻薬密売人らと銃撃戦になったという。
 リオでは来月下旬、世界的にも有名なカーニバル(謝肉祭)のパレードが開かれる。リオ州政府や警察側の治安対策が注目される。

 

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