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下議4人を大臣に=大統領、内閣改造に本腰

1月23日(金)

 【フォーリャ・デ・サンパウロ紙二十二日、時事二十一日】ルーラ大統領は二十一日、内閣改造に本格的に取り掛かり、四人の大臣を下院議員の中から選出、閣僚交代を公式発表した。
 パトルス・アナニーアス氏(PT=労働者党)は、社会分野の新しい〃スーパー閣僚〃職に就く。アウド・レベーロ氏(PCdoB=ブラジル共産党)は、大統領府官房から分かれた政策省(仮名)の大臣に。エドゥアルド・カンポス氏(PSB=ブラジル社会党)は科学技術相に就任。エウニッシオ・オリヴェイラ氏(PMDB=ブラジル民主運動党)は通信省の大臣となる。
 無所属になってまで自分の大臣職を確保しようとしたミーロ・テイシェイラ氏は、通信相職から降りて、レベーロ氏の前職である下院の与党リーダー職に就く。
 〃スーパー社会省〃は、社会福祉省と食料問題特命省の二省が合体したもの。
 [閣僚辞任]
 アマラル科学技術相は二十一日、二度目の辞表を提出した。昨年一月のルーラ政権発足後で閣僚辞任は初めてで、今週中に予想される内閣改造に連動した動きとみられる。
 ルーラ政権は昨年五月、中道の有力政党であるブラジル民主運動党(PMDB)と閣外協力で合意した。今回の内閣改造はPMDBからの入閣で同党を完全な連立メンバーとし、今年予定される統一地方選に向けて政権基盤を強化するのが狙い。
 アマラル科学技術相は就任直後の昨年一月、ブラジルが将来、核爆弾製造能力を持つ可能性を排除しないと発言。周辺国の強い反発を受け、大統領府が急きょ「原子力開発は平和目的に限定している」と釈明した経緯がある。
 ブラジルは今年からウラン濃縮計画をスタートさせ、十年以内に国内の原子力発電所で用いる濃縮ウランを完全自給するとともに、余剰分の輸出も視野に入れている。国際原子力機関(IAEA)はウラン濃縮施設の抜き打ち査察を可能にするため、核拡散防止条約(NPT)に基づく保障措置(核査察)協定の追加議定書への調印を同国に働きかけている。