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国境問題発生の恐れ=先住民保護で陸軍が警告

1月22日(木)

 【既報関連=エスタード・デ・サンパウロ紙二十日】ブラジルの情報機関や陸軍は、プラナウト宮へ送った報告書の中で、法務省がロライマ州の先住民居住地であるラポーザ・セーラ・ド・ソル市を先住民の保護区に認可すれば、「国家の安全が脅かされ、重大な国境問題が発生する恐れがある」と警告していたとこのほど、エスタード紙が報道している。同市はロライマ州の北西部先端にあり、ギアナとベネズエラの国境地帯でもある。
 「同地域では昔から、先住民と先住民以外の人間が共存しており、保護区の指定後、先住民以外の人々を追い出すことは不可能だ」と、元アマゾン陸軍司令官のルイス・レッサ将官は説明。「同区が国境地帯であり、他国との衝突問題にもつながりかねないという事態を政府は把握していない」と指摘している。
 二〇〇二年に、国境付近の保護区への陸軍や連邦警察の出入りを自由にする政令が出されたものの、先住民保護を訴えるNGO団体によって取り消される可能性もある。
 保護区指定に反対する農場主たちや一部の先住民たちは、六日から、州都ボア・ヴィスタに通じる道路を封鎖したり、国立インジオ基金(Funai)事務所を占拠したりして、政府に抗議している。