1月20日(火)
【エスタード・デ・サンパウロ紙、フォーリャ・デ・サンパウロ紙十七日~十九日】ジョゼ・ジルセウ官房長官は十六日、「ルーラ大統領は内閣改造の要点をすべて心得ており、決断を下す準備がほぼできている」と発表した。労働者党(PT)の一部の幹部らは、他所へ配属されると予想されるリカルド・ベルゾイーニ現社会保障相を大臣職にとどまらせるよう働きかけているという。大統領は十九日と二十日、改造人事に取り組む予定。二十二日までに、最終的な発表があると観測されている。
ジルセウ長官によると、同長官とジョゼ・ジェノイーノPT総裁、アロイージオ・メルカダンテ上院PTリーダーの三人が、閣僚の人事に関するデータをすべてルーラ大統領に伝えたという。「すべてはルーラ大統領にかかっている」と、同長官は言明する。
ジルセウ長官は、大サンパウロ市圏サンベルナルド・ド・カンポ市の自宅にいる大統領と内閣改造の詳細についていつでも会議できるよう、週末はサンパウロ市で過ごした。「必要があれば、再度各党幹部らと会談し、大統領が求める情報を提供するつもりだ」と準備を整えている。
ルーラ大統領の脳裏にはすでに内閣改造の構想が描かれていると発言しながらも、ジルセウ長官は「政府は内閣改造の発表予定日を決めない方針である。その日程に従わなければならなくなるからだ」との姿勢を示した。
ジルセウ長官によると、政府は内閣改造にかんする圧力などは受けていない。改造人事は政治的なもので、「政府側の調整と目標を達成するための大臣選任付けが、改造の目的である」と言及している。
今年の政府の目標は、経済開発と社会計画、インフラ整備への投資拡大、雇用の促進である。「大臣人事は今年度の選挙にまったく関係ない。あくまでも、ルーラ政権の政治的および経営的必要性に基づいて行なわれるものだ」と、ジルセウ長官は断言する。
一方、フォーリャ紙はこの件について、「ブラジル民主運動党(PMDB)を内閣内に引き入れ、今年度と〇六年度の選挙時でPTとの連立を維持するのが内閣改造の目的」だと指摘している。
ルーラ大統領は内閣改造を進めると同時に、国連の会談での提案内容も検討している。来る三十日、ルーラ大統領はジュネーブでコフィー・アナン国連事務総長とジャック・シラク・フランス大統領と会談する。大統領は、世界中の貧困問題の解決策として、〃国際的なCPMF(金融取引暫定納付金)〃制度の設置を提案する予定。マルコ・アウレーリオ・ガルシーア外相は、「ブラジル国内でも〃小切手税〃案が受け入れられるまで時間がかかったのに、国際情勢ではさらに困難だろう」と憂慮している。