1月16日(金)
日系人によるSF小説が刊行された。ノンフィクションや論文、評論には珍しくないが、SF小説(ポ語)とは稀だ。その名も『Fim da Fome no Mundo… Sera Possiviel?』(世界から飢餓を終わらせることは可能か?)という硬派なテーマ。
二〇四五年、サハラ砂漠に働く日系技師オオクボ・テツオ(三世)の描写からその壮大な物語は始まる。
環境破壊による温暖化現象により、大阪、ニューヨーク、リオデジャネイロなどの海岸沿い都市の一部は水没していた。世界的な飢餓が広がり、人類は様々な解決策を模索する中、史上最大のプロジェクト「イザイアス41」が発動する。砂漠の中に川を作る、聖書の一節から取られたその名の通り、人類の命運はその成否にかかっていた。
著者は田中一夫パウロさん(五〇、二世)で、サンパウロ州アラサトゥーバ市近くのイアカンガ在住、環境評価調査などの専門家だ。USPで公衆衛生学を専攻し、大学院を卒業している。
この本は十二月に発刊されたばかりで二五レアル。欲しい方は著者(kazuotanaka2003@yahoo.com.br)まで連絡を。