1月14日(水)
【エスタード・デ・サンパウロ紙、フォーリャ・デ・サンパウロ紙十三日】ブラジル政府は十二日、十五億ドルの外債(共和国債)を発行した。今年初めての債券発行となる。外債は償還期限三十年で、年間利率は八・七五%である。この外債で得られる資金は、近々満期となる対外債務の分割返済に充てられる。ブラジル中央銀行(中銀)が債券発行オペを発表したのは同日夜だったが、動きをいち早く察した金融市場は、即座にこのニュースを流し、その結果ドルは一・五二%下がって二・七九レアルを記録した。この価格は、二〇〇二年六月二十四日以来の最低値である。
リナウド・G・アギアール中銀対外債務部長は、「連邦政府の今回のオペは、過去のオペの中でも最低のコストで実行することができた」と喜んだ。同部長の言う〃最低のコスト〃とは、一九九四年のブラジル対外債務の再編成以来、最低の債券の利子になったことである。
昨年末から、市場アナリストらは、ブラジルは好況を利用して新しい外債を発行すると推測していた。新年が始まり、国外でのブラジル債券市場の高騰によって、先行き見通しへの期待はさらに大きくなった。
ある国の株式・債券などへの投資をする際、同国の政治・経済面から見たリスクであるカントリーリスクは、過去数週間に大きく下降した。
十三日午前十時ごろ、カントリーリスクは三・九一%下がって393ポイントを記録した。同正午には、再び404ポイントまで上がり、低下率は一・二二%に留まったが、それでも一九九七年十月以来の最低リスク値となった。
同日午前に二・七八七レアルで取引されていたドルは、中銀が三度目のドル介入(通称〃ドル買い入札〃)を実施した影響で、同午後一時ごろには二・八一二レアル(〇・七八%高)で取引されていた。
このほど発行された外債は、二〇〇〇年に発行された四十年満期に次ぐ償還期限である。この債券は現在と同じく、好況期に発行された。
四十年満期の外債は、対外債務の再交渉後、当時取引されていたブレイディ債(一九九四年発行)を代行した。国外で最も取引されているCボンド債も同種類の債券である。
ラ米最大の多様鉱業会社『ヴァーレ・ド・リオ・ドーセ』は先週、国際市場に三十年満期の債券を発行したばかり。ブラジル民営企業としては最長期限の債券で、年間固定金利は八・二五%である。
政府は今年、外債を発行することによって、四十億ドルの資金を得る予定。この資金は、近々満期となる対外債務の分割返済に充てる予定だ。
政府の今年度の対外債務返済総額は百十九億四千百万ドルに達し、うち五十五億ドルが外債から得られる資金で支払われる見通し。昨年度に外債で得た資金総額は十五億ドルだった。