1月6日(火)
二〇〇四年一月一日、新成人となった男女十五人を祝う行事がサンパウロ州グァタパラ移住地で盛大に行われた。新年祝賀会と組み合わせたこの行事は、一九六二年にこの移住地に入植が再開されてから五年目に始まり、今年が三十八回目という他の移住地では見られないような伝統的行事となって続いている。「グァタパラを〃ふるさと〃にしよう」という移住者の強い意識があり、ほぼ総出の祝賀行事となった。
成人となった十五人は一九八三年生まれで、全員が二世である。彼らの親たちは、移住地でその親たちから成人になったことを祝ってもらい、親たちの期待に応えて今日ある移住地の基盤を築き上げてきた立役者たちである。
元旦に晴れて大人の仲間入りを果たした青年たちは、より広く社会に貢献する役割が期待されている。
新成人と親の出身県は(生年月日順):堀口ミシェリ八重美(鹿児島)、井上千枝(山形)、木村エレナさつき(山形)、海老沢ジュリオ光次郎(茨城)、脇山ブルノ丈治(佐賀)、真名子エリアネ美千恵(岡山)、藤山アレクシヤンドレ博司(岡山)、上田エジナ明美(島根)、近藤エジソン保彦(神奈川)、斎藤ジョアナ優子(山口)、菅野ケイネス正義(山形)、真名子エリキ徳行(岡山)、高橋テズレイ(山形)、佐々木
ファビアノ三佳(島根)、上村イバン健太朗(長野)。男子八人、女子七人である。
母親が他の移住地に嫁ぎ、その移住地で生まれた新成人三人と、このために日本より一時帰国した二人が成人式に出席した。若者たちの心の中にも〃ふるさと〃意識が芽生えているようだ。
文協(グァタパラ農事文化体育協会)の川上淳会長、長寿会の黒沢允晴会長、農協の斎藤長一理事長、婦人会の高木みよ子会長、茂木常男グァタパラ市会議員ら諸先輩の激励の言葉に応えて、海老沢ジュリオ光次郎さんが成人者を代表して、「私たちは、ただいまから成人として自己の人格完成に努力すると共に、社会の進歩発展のために最善の努力と協力をすべくここにお誓いいたします」と流暢な日本語で力強い誓いの言葉を述べた。
式典に続いて、グァタパラ日本語学校の生徒たちが精神をゆさぶるような和太鼓の演奏とソーラン節の踊りで先輩たちを激励した。ブラジル発の美しい日本伝統の姿として、日本の日本人に紹介したいような成人式であった。
式典では移住地が誇る邦字紙のグァタパラ新聞元旦号(三四七号)が参加者全員に配られた。グァタパラは一九O八年、笠戸丸による第一回移民の入植地の一つ(二十三家族八十八人)でもあり、今年は戦後入植再開四十三年目を迎える。世代交代が順調に進んでいることを暗示させる明るく、賑やかな年の初めの行事であった。