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明るい社会に向けて=サンパウロ日伯援護協会会長 和井武一

2003年1月1日(水)

 新年明けましておめでとうございます。
二〇〇三年の新春を迎えまして、皆様のご健勝を心からお祝いもうしあげます。
 旧年中例年同様、多くの方々から温かいご支援を頂き、お陰さまで医療、福祉の両面で充分に活動し、援助を必要とする人達に手を差しのべることができました。援助を受けられた方々と共に、ここに改めて深謝申し上げます。
 事業の面でも、七月にはイッペランジャ・ホームを竣工し、十月には神内総合医療検査センターの建設に着工、医療の充実と社会のニーズに対処できるよう、本年は引き続き検査センターの建設を進める傍ら、サンパウロ市及び近郊の日系老人実態調査、ホームレス児童や貧困家庭の児童を対象として教育活動、友愛活動に力をいれる所存です。急速に進行する日系社会の中にあって、福祉団体として当会は高齢者の実態を多少でも把握し、高齢者問題を中期・長期に対処していきたいと考えております。日本移民が始まって九十五年、日系人が各分野で活躍し、ブラジルの発展に寄与していますが、社会分野、福祉の面での活動は、ブラジル社会ではあまり知られておりません。サンパウロ日伯援護協会ができてから四十四年。大先輩達の熱い志を継いで営々と日系社会の中で医療と福祉活動を続け、会員数一万三千八百名、職員数一千三百名の一大団体になり、膨大な事業量をなす現在、ブラジル人社会にも出て活動し、日系人、日系社会が社会福祉活動でもブラジルに貢献している事実を認識して貰えたら幸いと思っております。なお、当会の活動を後生の世代に受け継いで貰う為にも、ブラジル人社会で肩を並べて活動していかねばなりません。
 本年から、左派政権の登場で、社会福祉団体に対する要求は一段と厳しくなるものと予想され、日系社会もドーナツ型社会の度が進行、日系の福祉団体をとり巻く状況は一層厳しくなるものと思われます。
 二〇〇三年度の新年に臨み、私共は役職員一体になって経営の維持、存続に心血を注ぎ、不幸にして社会の陽も当らない場所で悩み苦しみ、困っている人達を励まし、支えていきたいと念じております。
 本年も、皆様のご指導、ご鞭撻をお願い申し上げ、共に力を合わせ、明るい日系社会作りに努力したいと思います。
 年頭にあたり、皆様方のご健勝とご活躍をお祈り申し上げ、ご挨拶とさせていただきます。
   二〇〇三年元旦