2003年1月1日(水)
平成十五年(二〇〇三年)の年頭にあたりブラジルに在住する邦人及び日系人の皆様に謹んで新年のご挨拶を申し上げます。ブラジル社会における皆様のご活躍及び日伯関係へのご貢献に対し、心より感謝申し上げます。 私は、就任以来、「改革なくして成長なし」との考えの下、「聖域なき構造改革」に向けて全力で取り組んでおります。日本経済再生に向けて、構造改革を加速し、デフレを克服しながら、民間需要主導の持続的な経済成長の実現を目指していきます。
昨年、日韓共催ワールドカップにおいてブラジルが優勝したのは記憶に新しいところですが、ブラジル選抜チームの素晴らしいプレーが広く報道され、日本国民のブラジルへの親近感が高まる良い機会となりました。
本年は、一月一日にブラジリアにおいて大統領就任式が執り行われ、ブラジルは新しい時代を迎えます。私は、ルーラ・ダ・シルバ新大統領とともに二国間の協力関係を更に発展させてゆく考えです。
日本からの海外移住は、明治元年のハワイ移住以来、百三十年を超える歴史を刻んでおり、ブラジルにおいても本年九十五周年を迎えられます。移住先駆者及びその子孫である日系二世、三世の方々が、たゆまぬ努力を積み重ね、居住国の人々との融和に努められた結果、それぞれの地でゆるぎない日系人社会を築き上げました。
海外日系人の方々が、それぞれの居住国の政治、経済、学術等様々な分野で活躍され、大きな信頼を寄せられていることは、我が国にとっても誇りであり、心から敬意を表したいと思います。
私は、あらためて、ブラジル社会の一員として、日伯両国間の友好・親善関係の促進に多大な貢献をされている日系人の皆様及びブラジルで勤務されている多くの邦人の方々に対し、心から敬意を表したいと思います。皆様が、我が国とブラジルとの「懸け橋」として、今後とも両国間の相互理解、友好・親善関係の増進に貢献されることを期待しております。
最後に海外で新年を迎える皆様のご多幸と一層のご繁栄を心より祈念して、新年の挨拶と致します。