2003年1月1日(水)
リーダーの条件、これは言ってしまえば『バランス感覚』の一言に尽きるんじゃあないか。もちろん理念や方向性を提示できるという事も大事ですよ。しかし、かつてはカリスマを持った人間がいたわけですよ。またそういう人が傑出して素晴らしかった。その時代、流れの中でね。でも一人の人間に期待する時代は終わったんですよ。
今は皆がそれぞれのあるものを持ってる。だが、その方向や信念というものが一つの統一性を持っていないんだな。これがコロニアのリーダー不在の原因じゃないだろうか。
そこで求められるものはそれらの人々をまとめられる人間、人の話をよく聞ける人間。簡単なようだけどこういう人がいないんだな、実際。それぞれが好きなこと言って、好きなことやってる。そこが問題。みんなを繋げることが出来るということは一つの才能だし、もって生まれたもんだけど、そういう人はいるはず。
あと思うのは一世、二世じゃあないんだな、もう。特に一世はこだわりが多すぎるんですよ。様々な過去の概念やしがらみを断ち切れる人間。それは三世ですよ。
そこで最初の話に戻るんだけど、三世がブラジルと日本の両方のバランスを取れるような気がする。一番層の厚いところでもあるしね。それをもり立てるのが我々。「日ポ両語が話せることが条件」なんていう人もいるけど、言葉は問題ないと思う。そういうところで助け合っていく互助努力が必要。一人の人間に全てを求めること自体がもう古いんですよ。さっきの繰り返しになるけど。
現代の新しい価値観を持った人望のある、人と人を繋ぐことの出来る人間、それがリーダーの素質じゃないかと思うんだけどもいかがなものか。
◇文協は今、経営理念の再追求=改めて問う=日系社会の新リーダー像