2003年1月1日(水)
最近、日系社会の中心機関ともいうべきある団体のトップが、一族郎党とまではいかなくても、相当大人数の家族を引き連れて高級日本料理店で食事をし、クレジット・カードを使い、会のカネで支払いを済ませていた、という風評を耳にしました。
数年前、沈滞していたこの会にムダンサ(変革)を遂げさせることを旗印に掲げて登場した指導者にして、このような有り様です。風評程度だから、もちろん真偽のほどは定かでないが、火のないところに煙りは立たないでしょうから、こういう噂を立てられること自体、所属する組織にとってマイナスであり、ダメージも大きい。
昔、日系社会の中心機関の一つであったある団体の長のなかには、自分のポケットマネーを出してまで、高齢者訪日の道筋をつけさせた、大いなる開拓者の気概の持ち主もいました。トップの身辺の清潔感は、金銭的に感覚がかなり麻痺してしまった今でも、望ましい指導力を発揮する上で、最も必要不可欠な要素です。
いよいよ、ルーラ政権がスタートしますが、まず確実に起こりそうなこととして期待していいのは、政治家による不正汚職が少なくなり、本来国民のためにより使われるべき公金を闇の中に消えさせないようにすることです。
これからの日系社会の各団体のリーダーたちにも、まず身辺に清潔感を漂わせることを意図し、できるだけ公私混同を避け、ある会の会長のためにでなく、もともと一般会員のために使われるべき大事な資金を増やし、組織の内情をよりスッキリ明瞭にするよう願いたいものです。
◇文協は今、経営理念の再追求=改めて問う=日系社会の新リーダー像