今年の第56回ジャブチ賞の最優秀作品賞に、フィクション部門では児童書の「小さな愛の物語」(マリーナ・コラサンティ著)、ノンフィクション部門では「1889」(ラウレンティーノ・ゴメス著)が選ばれた。
最優秀作品は、19日にサンパウロ市イピラプエラ公園の講堂で行われた表彰式で発表された。コラサンティ氏とゴメス氏は共に3万5千レアルの賞金を受け取った。
「児童書は対象外だと思っていたから全く予想していませんでした。子供たち、そして、ブラジル文学界に貢献してきた人々に与えられた賞だと思います」と、イタリア系移民をルーツに持つ77歳のコラサンティ氏は受賞の際に語った。
彼女の作品は散文体の詩で、作家と2羽の小鳩の出会いを描いている。
一方、パラナ州出身で58歳のジャーナリスト、ゴメス氏は、ジャブチ賞受賞は6度目、最優秀作品賞の受賞も3度目(前の2回は「1808」に始まる三部作で受賞)だが、結果に驚きを隠さず、「とても気持ちが高揚しています。共にノミネートされていた友人のリラ・ネト(伝記「ジェトゥーリオ」の著者)さんが受賞するとばかり思っていました」と語った。
受賞作の「1889」は、1889年のブラジル帝政の終焉と、奴隷制度の撤廃、共和政の始まりを描いている。
授賞式では、16日に公表されていた27部門の受賞者が舞台に呼ばれ、トロフィーと賞金3500レを受け取った。
ジャブチ賞はブラジル出版界で最も歴史のある賞で、今年の応募作品は去年より133点多く、2240点に上ったが、例年のごとく採点の際に問題が起き、いくつかの部門では再審査が行われた。(19日付フォーリャ紙より)
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