12月27日(土)
【エスタード・デ・サンパウロ紙二十六日】サンパウロ市は来年三月までに、市バスの運賃を一度払えば乗り換えが自由になる新しい運賃システムを導入する。これはバスだけでなく、地下鉄や電車を交えた乗り換えでも通用する。
ジウマール・タットサンパウロ市交通局長によると、「乗り換え無制限の片道一回券(ポルトガル語でビリェッテ・ウニコ)」は、サンパウロ市新政権が始まって以来進められてきた〃交通制度改革〃の最後の案件である。
「例えば、サンパウロ市中心部から南部サント・アマーロ区へ向かう人は、バスだけに乗らず、途中メトロを使っても運賃は一回払う分と同じになる」と、タット局長は話す。
初めのうち、片道一回券は、バスを何回も乗り継ぐ利用者のみが使えるようになる。だが将来的には、地下鉄やサンパウロ都市圏運輸公社(EMTU)、サンパウロ州都市圏鉄道公社(CPTM)でも利用できるようになるという。
サンパウロ市は〃交通制度改革〃を二段階に分けて実施した。一つは、バス会社の新入札やロタソン業者約五千人の営業許可証発行などの、交通手段自体の再編成。そしてもう一つは、バスやロタソンの路線再編成で、約三百路線が無くなり、五カ所のバスターミナルが新しく利用され始めた。これによってサンパウロ市は、新しいシステムを確立するための基盤を確保した。
マルタ・スプリシーサンパウロ市長(PT)は、過去三年間の市長としての業績を振り返り、「まだ交通部門の改革と称するのは早い」と言明。タット局長も、「交通システムの変更は徐々に行なわれていくものであり、確実な変化が見られるのは来年半ばになる」と説明している。