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コラム 樹海

 師走。年の暮れともなれば僧侶も忙しくなり走るようにして檀家をまわる。この「師馳せる月」がなまって「しはす」となったの説があるけれども、極月ともなれば、なんとなく気が忙しい。慌ただしくなるにつれて過ぎ去った月日の事柄もつい忘れがちになる。今年もまたイラク戦争や北朝鮮の核兵器といろんな事がありすぎたのに―▼スポーツでは星野監督が率いた阪神の優勝が輝く。十八年振りとかで大阪の道頓掘にはファンが飛び込む大騒ぎ。負けが込んだ巨人の原監督が詰め腹を切らされるの話題も。国技の相撲では横綱・貴乃花の引退。巨大な力士で綱を張った武蔵丸も土俵を去り、独り横綱の朝青龍の粗暴さと無礼千万が目立ち愛好者を憤激させたのは残念無念。曙親方は東関部屋に別れを告げて武技の世界へと走った―▼大リーグで活躍するイチローの年俸が十億円を超えたのはやっぱり凄い。世界選手権六連覇の柔らやん・田村亮子さんが野球の谷選手とパリで結婚したのも明るくていい。水泳と陸上もよく頑張ったのだが、バレーは昔日の面影もなし。その昔の教え子ブラジルに手も無くやられる始末では情けない。もっともっと元気を出せ▼小泉首相の「政治」で日本は大転換している。派閥政治の打破。イラクへの自衛隊派遣など五五年体制では考えられなかったような政治が表通りを歩き始めた。安全保障への取り組みも鮮明になり「安易な平和論」から脱し、憲法改正の難題にも挑む方針を示したのは評価されていい。そして、今年もまた暮れてゆく。 (遯)_

03/12/25