12月24日(水)
【フォーリャ・デ・サンパウロ紙、時事二十三日】大都市圏を中心に凶悪犯罪が絶えないブラジルで二十二日、ルーラ大統領は銃規制法に署名した。同法は十二月九日、国会で承認された。銃規制法の成立により、悪名高い治安状況を改善するのが狙い。大統領は署名式典で、一九九〇年代に四十万人以上が犯罪で命を落とし、その多くが二十四歳以下の若者だと指摘。銃規制は「国民の命を守るクリスマスのプレゼントだ」と意義を強調した。
銃規制法の主な内容は、次の通り。
(一)所持許可は州治安局の裁定により、連邦警察が許可証を発行する。これまでは州政府が管理した。
(二)例外として、軍隊や軍警、市警、刑務所の守衛、水上警察を除く。
(三)銃の購入が許可される年令は、二十五歳以上とする。これまでは二十一歳であった。
(四)銃器弾薬の売買は、国民投票によって決定。
(五)銃器購入希望者の所持資格証明のため、次の書類を提示する。必要不可欠であること。合法的職業に従事していること。銃の扱いに慣れていること。無犯罪証明。一定期間以上の居住証明。
(六)生命の危険にさらされる状況にあるか、またはリスクの伴う職業に従事する場合を危険業務とし所持を許可する。
(七)許可の取り消しは、銃を所持して飲酒や薬物飲用、幻覚作用がある場合に許可を無効にする。
(八)拘束は、軽挙に住宅地や公道で発砲した場合、拘束し仮釈放をしない。
(九)不法所持は犯罪と見なし、仮釈放をしない。
(十)セキュリティ企業や現金輸送企業の職員は、無犯罪証明を六カ月ごとに当局へ提出する。
現在銃を所有している人のために、登録期限が一月発表される。正規以外のルートで購入した銃は、百八十日以内に返上する。国内に不法入手した銃は、二千万丁あるとされる。百八十日以内は犯罪扱いを免れ、返上した銃器の代償金を受け取れる。そのほか銃器製造や一般市民の連署について、二〇〇五年十月に国民投票が実施される。