12月20日(土)
[既報関連]NHKが放送開始八十周年を記念して、ブラジル移民をテーマに制作するテレビ・ドラマ「ハルとナツ」(仮題、脚本・橋田寿賀子)。放映は二〇〇五年秋を予定しており、すでにブラジル側の出演者選考が行なわれ、来年三月には撮影に入るという。十四日付、フォーリャ・デ・サンパウロ紙がNHKドラマを解説している。
フォーリャ紙によると、ドラマの主役級は日本人俳優が占め、脇を固めるブラジル人たちには基礎的な日本語が要求されている。撮影は日伯半々の割合で行なわれるという。
あらすじは一九三五年、ブラジルと日本で生き別れとなった姉妹の激動の人生を描いたもの。NHKプロデューサーの安部康彦氏は、「平均二〇%の視聴率を期待。ドラマは高画質画面で放映され、再放送の後、総集編もある。日本で話題作になるだろう」と力を込める。ディレクターの佐藤峰世氏は、ドラマは虚構だが、史実に基づいており、ブラジルの日系コロニアで日本語や邦字紙発刊が禁止されたことにも言及するという。
共同制作を担うサンパウロの独立系プロダクション・カザブランカのマリレーネ・カルヴァーリョ氏は、「サントスへの日本移民上陸、移民住宅での滞在、コーヒーや綿花、花き栽培などの労働風景を撮る予定」とし、そのために日系映画監督の山崎千津薫氏の妹、山崎百合薫氏と契約を交わした。
高画質映像の撮影機材は日本から持ち込み、ブラジル側は国際共同制作者として対応する。カザブランカのプロデューサー、アレックス・ピメンタウ氏は、「彼らにとって、大切なのは、舞台設定がどれだけ現実に近いかということ。虚構ではあるが、時代にいかに忠実かが重要で、商売ではなく、高品質であることを優先している」などと語っている。