12月19日(金)
【フォーリャ・デ・サンパウロ紙十八日】中央銀行の通貨審議会(COPOM)は十七日、基本金利(SELIC)を一%引き下げ、年利一七・五%を一六・五%とした。これは二〇〇一年四月以来の低い水準。サンパウロ州工連(FIESP)は、最低一・五%の引き下げを期待していたので不満の意を表した。これでは、雇用創出に何ら効果はないという。中銀は経済活性化の兆候があるとし、これ以上の金利引き下げは不要と述べた。これで年間、八・五%引き下げられた。
金融市場の予測通り、基本金利の引き下げは一%であった。七カ月連続で下げた。インフレ率を差し引くと、実質金利は一〇%。この利率はインフレを招かずに、経済成長が可能と思われる妥当な水準と中銀はいっている。二〇〇四年の金利推移は、小幅な動きになると中銀は報告した。
FIESPやCNI(全国工連)は、中銀が金融緩和に積極的でないことから景気の迷走を恐れている。インフレ再来の兆候があった四月から六月に金融を引き締め、第三・四半期の経済成長率を目標の一・五%から〇・四%へ落としている。
金融経済を優先し生産経済を冷遇していると、産業界は不満を表明した。試験的に可能な水準の低金利政策を取り入れてはどうかと、FIESPは提案している。小幅な切り下げによる消費の刺激は、消費市場の活性化を遅らせるだけだとピーヴァ会長が抗議している。
CNIのモンテイロ会長は、中銀の通貨政策が生産経済をないがしろにしたと非難した。インフレが沈静化し思い切った金利引き下げを行う機会があったのに、チャンスを逃したと中銀の優柔不断を指摘した。
企業家は生産に意欲を燃やし、労働者は職を求めている。インフレ再来のリスクは遠のいた。なぜ中銀は経済の活性化にブレーキをかけるのかと、産業界は非難の合唱だ。