12月13日(土)
ブラジルの幼児TV番組の司会者には、金髪の女の子が圧倒的に多い。その代表と言えるグローボ局のシューシャとレコルジ局のエリアーナだが、金髪の魅力だけでは子供たちの気をひくことができず、番組の中でアニメを多く放映しなければ高視聴率がとれない危機状況にある。また、視聴対象者が幼児なのか思春期前の子供なのかもはっきりしていない。
すでにSBT局の「ボン・ジーア&コンパニーア(直訳=おはよう仲間たち)」の司会者ジャッケリーネ・ペトコヴィッチが、同じ理由でクビにされている。
グローボの「シューシャ・ノ・ムンド・ダ・イマジナソン(直訳=想像の世界のシューシャ)」は放映1年になるが、幼児対象番組のはずがすっかり児童を対象に番組を構成している。
エリアーナも似たような状況にあり、「わたしはもう、幼児だけを対象に番組をつくりたくない」と明言している。レコルジ局の彼女の番組「ファーブリカ・マルッカ」は、放送時間を4回も変更した。当時、エリアーナはSBT局に「給料なしでいいから移りたい」と頼み込んだが、同局オーナーのシウヴィオ・サントス氏はうんとは言わなかった。現在エリアーナは月給8万レアルを得ている。
この2人の司会者のトラブルは、2人に司会者としての素質がないので起きたのではない。世界保健機関(WHO)も、世界的に子供の思考の成長が著しいことを考慮し、幼児期などの年齢層システムを変更したという。
サンパウロ・カトリック大学(PUC―SP)のセーレス・A・アラウージョ心理士は、幼児期と思春期の過渡期が混沌としていると指摘し、「これまでのような番組構成では高い視聴率が得られなくなっている」と言明している。
この2人の職が無くなることはまずないが、ブラジルのテレビ史上、最後の〃子供たちの妖精〃的存在になるだろう。
一方、もう一人の金髪娘・アンジェリカは、幼児番組司会者から降りて、思春期の子供を対象にした番組づくりに励んだ。現在グローボ局と月給30万レアルの契約を結び、「ビデオ・ショー」の司会者として活躍している。
(ヴェージャ誌11月19日)