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農業技師の間嶋さん受章=秋の叙勲=ぶどう改良に貢献

12月13日(土)

 [ロンドリーナ]日本政府秋の叙勲で、間嶋正典(まじままさすけ)ブラジル日系農業振興会会長(七一、農業技師、俳号稲花水、ロンドリーナ市在住)が、旭日単光章を受章、去る十一月十日、東京の外務省で伝達を受けた。間嶋さんは帰国後「農業指導が好きで続けてきたが、それが認められて嬉しい。パラナ日伯文化連合会、在伯新潟県人会の推薦に感謝する」と語った。
 間嶋さんは、三二年、新潟県生まれ、五八年新潟大学農学部卒業後、移住。モジの平松農園に入り、ぶどう、桃、柿、枇杷などの栽培に従事、平松薫農園主の指導を受けた。六三年コチア産組中央会に就職、果樹担当農業技師。六五年北パラナ駐在員としてロンドリーナに赴任、指導にあたった。八三年本部に戻り、九二年退職。
 北パラナでは、同地方の果樹(ぶどう、アバカテ、りんご、柿など)生産を飛躍的に増大させた。中でもぶどうについては、石灰チッソ二〇%液塗布による休眠打破の技術確立、イタリアぶどう二期作の技術開発、北伯でも周年栽培を成功させ、輸出振興のカギをつくった。八二年には、イタリアぶどうの突然変異種を発掘、「ルビー・奥山」と命名、普及した。各地で輸出用果樹生産団地の指導を行い、外国にも出掛けている。
 一方、俳句を軸に文芸活動でも指導的役割をはたしている。サンパウロ新聞の俳壇選者。ブラジル俳句作家協会の創立、俳句による「ブラジル日本移民八十年史」の編集発行を行っている。(中川芳則通信員)