12月6日(土)
【エスタード・デ・サンパウロ紙、フォーリャ・デ・サンパウロ紙五日】二〇〇二年三月五日午前七時三十分、サンパウロ州ジョゼ・エルミーリオ・デ・モライス自動車道(通称カステリーニョ)12キロ地点で、犯罪組織PCCのメンバーだとされる十二人が軍警の検問に抵抗し、殺害された。だが、新事実が浮上した。〃カステリーニョ作戦〃と呼ばれたこの事件は、実は「警察の威力を見せつけるという幼稚な理由で、十二人をわなにはめ、残酷な形で処刑した」ものだったと、サンパウロ州検察局が四日発表。軍警官五十三人を凶悪な殺人罪で告発した。
告発された警官らに有罪判決が下った場合、拘禁百五十~三百六十年の刑に処されるという。
この告発をしたヴァーニア・M・トゥグリオ検事は、警官らが犠牲者たちに抵抗する間も与えずに襲ったと言明。意味のない理由で軽々しい行動を起こし、同自動車道の従業員たちや運転者たちの身を危険にさらしたことが、告発のきっかけとなった。
五十三人のうち、十人は軍警の将官だが、休職処分にはされていない。五十三人のほか、軍警が犯罪組織の中にスパイ役として投じた犯罪者二人も告発されている。
カステリーニョ作戦は、サンパウロ州ソロカーバ市で実行された。当時、軍警特別業務部隊(COE)とトビアス・デ・アギアル巡察隊(Rota)、道路警察の警官ら百二十人が作戦に参加。検問でバス一台と軽トラック二台を止めた。殺害された十二人の容疑者たちは、同市の飛行場で、現金運送用の飛行機から現金を盗むつもりだった。
トゥグリオ検事によると、この作戦は凶悪犯罪防止グループ(Gradi。軍警の情報部隊)によるわなである。Gradiは、変装した警官と受刑者を使い、外部の犯罪組織と情報交換していた刑務所内に、「現金を積んだ飛行機がくる」という偽の情報を流した。PCCはその話にだまされたという。
事件後の数日間は、サウロ・C・アブレウ・Fサンパウロ州保安局長官とジェラウド・アウキミンサンパウロ州知事への称賛が絶えなかった。サンパウロ州検察局人権擁護部のカルロス・カルドーゾ検事は、「市民にまったくうその話を伝えていた」と言明している。
検察局は市警と共同捜査し、約五十人の証人から事情聴取を行った。この捜査によって、今回の告発に至った。