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南米各国のXマス飾る=ブラジル人女性が専門店経営=今年だけで119件受注

 【ジアーリオ紙系ジャー誌23日】12月といえばクリスマス(ナタル)。節電に悩まされ、飾り用のミニ電球などのイルミネーションが使用できなかった苦い昨年のクリスマスの宇佐晴らしでもするかのように、今年のサンパウロ市のクリスマス飾りは華やかである。特にショッピングセンターなどのクリスマス飾りのスペシャリストがいる。ミナス・ジェライス州出身の音楽家、コンセイソン・シポラッチさんである。ジアーリオ紙系ジャー誌は、シポラッチさんにインタビューし、クリスマス飾りの秘訣を聞いた。

 シポラッチさんは、デコレーション専門会社「シポラッチ&シポラッチ」のオーナーである。同社は、10月25日に、東部ヴィラ・プルデンテ区のセントラル・プラザ・ショッピングで、市内で今年初めてのクリスマス飾りを披露した。可愛いディズニーのキャラクターを使用、子供たちは大喜びだ。
 これだけではない。サンパウロ州やミナス州、バイア州などを含む全国主要都市のほか、アルゼンチン、ウルグアイ、メキシコ、チリなどの依頼まで受けた。今年だけで百十九カ所のデコレーションを請け負っている。同社はブラジルのクリスマス飾りの責任者と言っても大げさではないようだ。
 シポラッチさんはミナス・ジェライス連邦大学音楽部を卒業。1981年まで、ピアニスト兼指揮者として活躍していた。クリスマス・デコレーションは趣味だったという。
 シポラッチさんは、姉妹が経営するビュッフェのデコレーションを手伝っていた。ある日、ミナス州ベロ・オリゾンテ市の大手ショッピングセンターの経営者が、同ビュッフェのパーティーを訪れ、シポラッチさんの花飾りに感動。彼女にショッピングのクリスマス・デコレーションの依頼をした。
 「わたしは、そんな大それたことできないと言った。でも、彼はあれほどの花飾りを作れたのなら、絶対できると説得した。どんなことにも挑戦することが好きなので、引き受けました」と、シポラッチさんは話す。
 このデコレーションによって、ほかのショッピングセンターへの道も開け、依頼が殺到。現在シポラッチさんは、正社員450人を含む従業員2000人を抱えている。
 クリスマスの時期には、同社のスペシャルグループ(全部で25)が、ブラジル国内とラ米諸国各地に派遣される。技師と建築家だけでも四十五人いる。
 同社にとって、クリスマスの飾りつけは2月に始まる。大サンパウロ圏タボアン・ダ・セーラ市の本社のショウルームには、クリスマスをテーマにした150種類ものデコレーションが並び始める。それからショッピングセンターなどのオーナーにダイレクトメールを送り、ショウルームに招待する。
 「ほとんどの顧客がわたしのデコレーションに満足してくれる。個別的なものを頼む人は少ない」とシポラッチさんは言う。
 同社は主に、クリスマス・デコレーションをレンタルする。デコレーションの創作からモンタージュまで、すべて同社の責任である。1年間に使用するクリスマス用ランプの数は2700万個を超える。
 モンタージュは夜間に行なわれる。夜中働く従業員たちのためのランチも支払われる。クリスマスツリーの先端や上からたれるランプの飾り付けなどに登山家も雇われる。
 今年の飾り付けに使われるライトの量は、昨年の節電クリスマスより10%増えた。「昨年は、カラフルな色合いを利用して節電を切り抜けた。今年もそのアイデアを一部で利用しているが、顧客が望んでいるのは無数のライトである」。
 シポラッチさんは、ジャルジンス区オスカール・フレイレ通りや中心部市立劇場の伝統的なクリスマス・デコレーションも担当。「市立劇場のデコレーションのテーマは、サンパウロ市制450周年記念です」と笑顔を見せた。