12月3日(水)
【エスタード・デ・サンパウロ紙二日】昨年誕生したブラジル人の予測平均寿命は七十一歳に伸びたことが一日、ブラジル地理統計院(IBGE)の発表した平均寿命調査で明らかになった。二〇〇一年と比べると三カ月、一九八〇年からは八・五歳も伸びている。IBGEによると、ブラジル人の平均寿命が七十歳以上になったのは今回が初めてだという。
寿命が伸びるという朗報の反面、年金に関してはあまり良くないニュースが。今月から年金申請をする人は、今までの金額より一三・五%以上低い年金を受け取ることになる。これは、年金の計算に国民の平均寿命という要因が重視されるからである。
コンサルタント業者のニュートン・C・コンデ氏は、「寿命が伸びれば伸びるほど、実際に支払われる年金額が少なくなる。これは、長期間にわたって年金が支払われると政府が計算するからだ」と説明する。
社会福祉省によると、平均寿命が伸びたため、これまで通りの年金額の支払いを望む人は、さらに平均二年間掛け金を払わなければならない。ようするに、労働期間も延長されるということである。
現在、ブラジル人の平均寿命は、世界の平均寿命の六十五・四歳より高い。だが、国連の平均寿命ランキングでは、ブラジルは八十八位を占めている。ちなみにトップは日本(八十一・六歳)、ワーストワンはザンビア(三十二・四歳)である。
ラ米諸国とカリブの間では、ブラジルは二十三位。ブラジルの前には、キューバ(七十六・一歳)、コスタリカ(七十八・一歳)、ウルグアイ(七十五・三歳)、コロンビア(七十二・二歳)などが来ている。
今回のIBGEの調査は、国連と合同で実施されたことで、従来よりもより正確なデータを得ることができた。IBGEは一九八〇年からのデータを再検討し、二〇〇〇年度国勢調査や一九九九年~二〇〇一年の出生・死亡届登録、二〇〇一年度全国家庭調査なども盛り込まれた。
性別で比較すると、男性の方が女性よりも依然として低い。男性は、殺人事件や交通事故など「暴力的な死因」による死亡ケースが女性より多い。そのため、男性の平均寿命は六十七・三歳。対して女性は七十四・九歳である。(IBGEは、自然死ではなく、場合によっては避けることができた外因性の死亡を「暴力的な死因」と呼んでいる。殺人、自殺、溺死、交通事故死がそれに入る。)