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コラム 樹海

 働く人々のいない「無人工場」というのは経営者の持つ夢らしい。給料は払わなくてもいいしストの心配もない。労務管理とかの難しい問題も素通りでき夜遅くまでの残業も平気。まだ完璧な無人とまではいかないけれども山梨県下には、モデルとなるような工場があるそうだ。だが―工作機械などの管理にはどうしても人間が必要なのでまだ「無人」とまではいかない▼恐らく―。産業ロボットの普及による無人化が進んでいる工場なのだろうが、将来的には決して夢ではないらしい。日本の産業ロボットは普及度も練度も世界一だし学者と専門家の水準も高い。年間にほぼ一千万台もの自動車を生産する工場などを見てもロボが大活躍する場面も多い。テレビや他の産業にしてもいろんなところでロボがネジを締めたり組立の作業に頑張っている▼ソニ―やホンダが送り出した愛玩用ロボは大いにうけ話題になったしもう現実の暮らしに溶け込みつつあるのも否定できない。人の顔をも見分けるし声や言葉にも敏感に反応する。チェコの作家・チャベックの新造語「ロボット」は今世紀を引率する張本人になる。尤も、まだ欠点は多い。人とは違い膝や肘のような関節の動きがあまり上手くないのだ▼これだと階段の上り下りが苦手になるし開発する学者らも頭を痛めているらしい。だが、一歩一歩と進んでいる。二十二日付けの「人間も楽々運搬」のロボ君もそんな一つ。体重六〇キロの学生を座らせて室内を歩行したというから大変なロボが誕生したし、難関である階段の解決もあるいは近いかも―。(遯)

03/11/25