11月22日(土)
「役を演じるためなら何でもする」と意気込む俳優や女優は多い。アメリカの俳優トム・ハンクスは、映画『フィラデルフィア』でエイズ患者を演じるために12キロ痩せた。『キャスト・アウェイ』では、無人島に流れ着いた事業家役を演じ、20キロも痩せている。逆に太ったケースもある。ブラジルにもこのような努力をした俳優たちがいる。
ブラジル人俳優のダニエル・オリヴェイラもその1人。彼は、映画『カズーザ―オ・テンポ・ノン・パーラ(直訳=カズーザ―時は止まらない)』の主人公カズーザを演じるために、厳しいダイエットを始めた。
カズーザは、エイズで死亡したブラジルの人気ロック歌手。ダニエルはまず、デビューしたばかりのカズーザを演じるために、筋肉トレーニングをして7キロ体重を増やし、髪の毛を伸ばした。
3カ月にわたる収録期間中に、ダニエルは14キロ痩せた。カズーザの末期を演じるためだ。食欲制御薬を飲み、昼食はいつも鶏肉150グラム、レタスの葉1枚、そしてトマトの輪切り一切れのみ。「お腹がすいてどうしても我慢できない時は、塩味ビスケットを3枚だけ食べた。ゆっくりと味わいながらね」と、ダニエルは語る。
ダニエルは体格を真似るだけでなく、役になりきるためにカズーザのショーの収録テープを何回も見た。同歌手の友人たちともよく話し、カズーザのしぐさやクセを研究した。
ミナス・ジェライス州出身のダニエルはさらに、同州なまりをなくし、カズーザのしゃべり方を音韻聴学専門医について徹底的に特訓。「音節をはっきりと発音することを覚えた」と話す。
女優のカミーラ・モルガードは、ドラマ『オウガ』の主人公オウガ・ベナーリオ・プレステスを演じるために、必死のダイエットを実施中。すでに5キロ痩せたという。さらに2キロ痩せなくてはならないカミーラも、食欲制御薬を飲み、一日のカロリー量を1000カロリーに抑えている。
ドイツ生まれのオウガは、ブラジルの共産革命に貢献した人物。カミーラは役作りのためドイツ語も勉強。銃器の扱い方も習得した。
(エポカ誌)