11月21日(金)
【エスタード・デ・サンパウロ紙二十日】中央銀行の通貨審議会(COPOM)は十九日、基本金利(SELIC)を年利一九%から一七・五%へ引き下げ市場関係者から歓迎された。これで六カ月連続で切り下げられたことになり、二〇〇一年六月の水準へ戻した。中銀の理事らは、インフレの見通しが明るいと判断したための措置とした。市中銀行の与信金利や商店の消費者ローンも、中銀にならって金利引き下げへ同調する様子だ。
中銀は市場関係者の意表を突き、SELICを一・五%引き下げる決断に踏み切ったことが評価されている。消費者物価指数(IPCA)は八月の〇・七八%から十月は〇・二九%、十一月は〇・一七%と下降線をたどり、インフレ懸念を払拭している。
市中銀行は、二十一日から自動車ローンや家庭電気製品、航空券など恒久財やサービスの金利引き下げを実施すると発表した。個人与信の金利は四・九〇%から四・七九%、貸し越し許容特別小切手が七・六一%から七・五七%へ。企業の運転資金は二・九六%から二・八三%への推移となっている。
ブラデスコは特別小切手を八・二九%から八・一八%。個人与信が五・八〇%から五・六九%。運転資金が六・二三%から六・一二%。HSBCは特別小切手が八・三八%から八・三〇%。法人与信が三・八〇%から三・七〇%へ。
ロージャス・セムは家電製品の分割払い金利を、四・四%から三・七%へ下げた。これで同ネットは一〇%の売上増を見込めるという。アラプアンはクレジット・カードによる買い物の金利を、二・五%から一・九九%へと下げた。
サンパウロ州商業連盟(ACSP)のアヒフ会長は、基本金利の引き下げが経済を活性化するのは、銀行のスプレッド(金利差)取引が抑制され資本コストが低減されてからのことだとした。現時点では所得の増加はなく、クレジットの増加が景気回復を演出しただけという。基本金利の引き下げには、銀行の供託金や徴税の削減と経済活動を促進する税制改革が同時進行することが必要だと進言した。