11月20日(木)
【エスタード・デ・サンパウロ紙十九日】サンパウロ州工業連盟(FIESP)のピーヴァ会長は十八日、小零細企業の三四%は十三カ月目給与の支払い能力がなく、銀行が一時立て替えることで合意したことを明らかにした。FIESPの報告では、景気回復は始まったばかりで輸出企業はともかく、一般企業は回復までに至っていないとした。立て替えで徴収する金利を、市場金利よりも低利で融資するように銀行に要請したと、同会長は述べた。
FIESPが年商千万レアル以下の三千社を調査したところ、小零細企業の三分の一以上が資金ショートを起こしている。今年は十三カ月目給与の年内支払い
は不可能だと、企業主が表
明していることを発表した。第四・四半期の景気回復は輸出企業にのみ見られ、国内企業一般にはまだ浸透していないようだ。
調査では小零細企業の七〇%は、運転資金のつなぎが枯渇したため銀行の救援がなければ、倒産に追い込まれる可能性もある。これら企業は売上の七〇%を、すでに融資の担保として銀行へ入れている。
FIESPは銀行に掛け合い、これら企業の来年の売上と共営者の個人保証を保証物件とし、十三カ月目給与の資金を低利で融資するように要請した。銀行では、連邦カイシャ・エコノミカが合意した。さらに民間銀行二行にも交渉中。
十三カ月目給与への銀行融資が従業員の人員整理の兆候をかもし出し、会社内が大量解雇の空気で覆われ著しくモラルを低下することを小零細企業の経営者は恐れる。融資で当座をしのぎ期限までに売上増加がない場合、別の決済法を検討するとFIESPはいう。
企業の中には来年の景気回復を見込んで銀行融資を受けずに、今年の十三カ月目給与を来年六カ月間の長期払いにするという案も出ている。多くの小零細企業は労組を介して従業員と話し合いに入る模様。十三カ月目給与を支給されずに、クリスマスを過ごす家族が多いようだ。
法令では十一月三十日までに、十三カ月目給与の半分を支払う。残り半分は十二月二十日まで。従業員は会社を破産に追い込まずリストラも行わず、労使痛み分けでクリスマスを乗り切ろうと必死の様子だ。