エコノミーア

11月20日(木)

 為替事情だけでなく国際的な物価高や亜国の経済回復で、ブラジルの輸出に順風が吹いている。二〇〇二年以来、中国をはじめ開拓した新市場が年々取引量を上げている。数量では中国が群を抜き続いてイラン、南アフリカ、台湾、トルコ、ルーマニアなど。成長率ではセネガル、リビア、ルーマニア、中国、イラン、アルジェリアの順。
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 ニューヨーク証券取引所は十七日、「ブラジル・デー」と銘打って、フルラン産業開発相が取引開始の鐘を鳴らした。これは、ブラジルへの投資促進を促すイベントであった。ブラジルの二〇〇四年経済成長率は四%の予測、為替は三・一四レアルで安定する。二〇〇四年は「ブラジルの春」とのふれ込みで好調な滑り出しであった。
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 失業率の増加にようやく歯止めがかかったようだが、雇用が顕著に始まるのは来年の中ごろとみられている。年末の求人は多くが臨時雇用や未登録雇用で、会社側は市場の様子見をしている。景気回復が永続的なものであれば、正規雇用に切り替える考えのようだ。ブラジル経済の景気サイクルは過去二十年、短くなったといっている。
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 乗用車のLPガス仕様が、急増している。亜国は早くから、乗用車のLP装填仕様の切り替えを行った。ホワイト・マルチンス社傍系のシウブラスは一九八〇年から、乗用車のLP化に目をつけ機器の作製に力を入れた。同機器の主要部分は高圧シリンダーであるが、従来のバーラ・マンサ工場のほかにマナウス工場を落成した。現在は、生産の五〇%を輸出している。