11月19日(水)
【エスタード・デ・サンパウロ紙、フォーリャ・デ・サンパウロ紙、フォーリャ・オンライン十八日】水不足で苦しむサンパウロ市に十七日、市民待望の大雨が降った。十八日午前十一時ごろの情報によると、この雨で、節水の危機にあったカンタレイラ複合貯水池の水位が、十七日の総水量の二・五%から三・二%に上昇した。もっとも雨期の大降雨を期待しているサンパウロ州水道局(Sabesp)は、「少なくとも今週、カンタレイラ貯水池の配水地区が節水に入ることはない」と発表した。同配水地区には、大サンパウロ市圏の市民九百万人が在住している。
十七日の雨は同未明に降り出してから一日中続いた。交通事故二件、負傷者二十二人、倒木九本、午前中の延べ渋滞八十九キロ、洪水二十一カ所などの混乱を招いた反面、「大サンパウロ市圏の節水を避けられるかも」と期待した市民も多かったはず。十四日にも降雨があったが、午後にはやみ、水位の上がり具合も思わしくなかった。
カンタレイラ貯水池の水位は十六日から十七日までに、総水量の二・六%から〇・一ポイント下がって二・五%になっていた。だが、十七日の午前一時から同七時までの降雨量は消失量の三倍ほどだったと水道局は計算。十八日午前の水位測定で水量増加が確認され、当局は大喜びだ。
十七日から〇・七ポイント上がった同貯水池の水位だが、十六日の水位(二・五%)は一九七三年以来の最低値。カンタレイラ貯水池のほかにも、アウト・チエテー複合貯水池の水位も下降傾向にあり、そう喜んでもいられない。グアラピランガ貯水池の現在の水位は二一・二%。二〇〇〇年、節電が始まった時のグアラピランガ貯水池の水位は、一九・二%だった。
十七日未明に降り出した市民心待ちの雨は、サンパウロ市各地で交通渋滞などの問題も引き起こした。同午前六時四十分ごろ、同市南部ジョアン・ジーアス橋付近のピニェイロス川沿い環状道路で、バス一台とマイクロバス一台、トラック一台を巻き込む事故が発生し、二十人が負傷、うち四人が重体で入院している。
また、カステーロ・ブランコ自動車道では、トラックがコントロールを失い、道路沿いの塀に衝突。後方から来たゴル車が追突した。両車の運転者は軽傷で済んだ。
強風で、同市南部パライーゾ区や中心部ベラ・ヴィスタ区などで樹木が倒れる被害もあった。木に電線がひっかかって一部停電になった場所もあった。
雨は、サンパウロ州地方都市のヴァリーニョス市やカンピーナス市にも降った。両市では洪水が発生し、車両が濁流に押し流されるなどの被害が出た。