11月18日(火)
【エスタード・デ・サンパウロ紙十七日】ブラジル経済の牽引役であるサンパウロ州は、二十一世紀に入ってもその役割を維持しているが、新しい様相を呈してきた。大サンパウロ市圏にサービス業が集中する一方、製造業が地方に移転する傾向が顕在化しつつある。
サンパウロ州経済企画局管轄の州データ分析システムの調査で、四百十億ドルに上る今年上半期の工業部門への投資の七五%が地方都市に、サービス部門への投資、三百十億ドルの六〇%が大サンパウロ市圏に向かっていることが判明した。
製造業の地方への移転は大サンパウロ市圏から百五十キロ離れた地帯に集中している。多年度投資計画によると、カンピーナス、サン・ジョゼ・ドス・カンポス、サントス、ソロカーバ地域がそうした地帯に当たる「大サンパウロ市圏とこれらの地域は全製造企業の八二%、従業員の八五%、生産額の九〇%を占める」と同調査は報告している。
大サンパウロ市圏を中心とするサービス部門の拡大はサンパウロ州経済の将来的発展を目指した戦略的かなめとなっている。
財務省州事務局のデータによると、九六年から〇二年の七年間のサンパウロ州への投資額は千五百二十億ドルに上り、〇二年だけでハイテク工業部門への投資は十九億ドル以上に達したという。中銀によると、米国の投資の七三・四%、スペインの七六・四%、オランダの五八・九%、フランスの六一・九%、ドイツの八六・二%をサンパウロ州は受け入れている。