社民党の「顔」土井たか子さんには名語録が多い。社会党委員長に就任し日本の憲政史上初の女性党首となって「やるっきゃない」の名言。消費税には猛反して「駄目なものは駄目」。八七年の参院選で大勝利を収めたときには「山は動いた」の名句を吐きマドンナと騒がれもする。女性初の衆議院議長となり話題を呼んだのも土井たか子さん。護憲派であり生粋の社会主義者▼五五年体制の「自社対決」を生き抜いて来たが、小選挙区という制度には勝てなかったようだ。先の選挙では二十一議席を目指したけれども選挙区では自分も落選。当選は六議席だけとかってのような革新の力はすでにない。党員数も約三万人と九六年の十一万人余と比べると四分の一近くに激減し一般国民の支持も薄い。旧社会党時代の国会議員の多くは民主党に鞍替えし、有権者たちの「革新離れ」も進んでいると見ていいのではないかー▼国民が社民党を見放したのには拉致事件への取り組みや北朝鮮との過剰な往来もある。あの朝鮮戦争は、韓国が先に攻撃したの説を掲げたり大韓航空機爆破は韓国の自作自演と主張したりと辻褄の合わない話を真面目にやってきたツケが今になって現れたの観測がしきりなのも頷ける▼土井党首は選挙の大敗で辞任に追い込まれたが、社民党の先行きは明るいとはいえまい。旧ソ連など共産主義国家が揃って崩壊したときをもってイデオロギー対立の時代は終わったと見ていい。日本だけが例外はありえない。社民党も抜本的に見直さないと歴史の彼方に追いやれてしまうのではないか。(遯)
03/11/15