11月8日(土)
【フォーリャ・デ・サンパウロ紙七日】サンパウロ州工業連盟(FIESP)の代表らは六日、滞聖中の国際通貨基金(IMF)のアンネ・クルーガー専務理事を迎え、政府に緊縮財政を強いたことを抗議した。同代表らは政府が、IMF要求の財政黒字にこだわるあまり過重税制やレアル高政策、高金利政策に固執し、経済成長を妨げたことに遺憾の意を表した。さらに代表らは官房長官や財務相に、輸出促進のため為替政策で善処するよう要請した。
IMFが求めた政府の財政政策を、FIESP代表らはIMFへ抗議した。財政黒字目標が引き続き厳しい水準に据え置かれ、景気回復が遅れかねないとした。高金利政策が銀行にスプレッド(金利差)取引を増長させ、レアル通貨引き上げが輸出を妨げたことなどを遺憾とした。
IMF新協定での債務償還分を除く財政黒字目標は、現行協定と同じ国内総生産(GDP)比四・二五%となった。FIESPのタバコフ副会長は、直ちに黒字目標の引き下げ交渉をするように要求した。財政黒字は政府が、公共債務の金利決済するための資金だ。
FIESP代表らは中央銀行の基本金利引き下げが遅いことで、不満をIMFへぶちまけた。高金利政策で銀行はスプレッド取引に精を出し、産業振興などは忘れていると金融システムの異常を指摘した。IMFは金利政策の見直しを考慮する約束をした。
IMFと銀行関係者の会合は同日午前、ウニバンコ会議室で行われた。IMFから、非正規労働者の増大と消費者ローン拡大への影響を憂慮する発言があった。IMFは、ブラジルの経済成長のために米州自由貿易地域(FTAA)協定の締結は、必要だとした。しかし、水掛け論に終始している現状は残念だと述べた。
ボトランチンのアントニオ・E・モラエス氏は、今回のIMF合意は〃特別小切手〃を貰ったようなものと皮肉った。驚くような高金利を取られることを覚悟する必要があると語った。
クラビンのピーヴァ氏は、地方選挙のある二〇〇四年に向けてIMF新協定に合意したことは、政府にとって幸先がよいと述べた。政府は選挙で党へ有利になるよう緊縮財政の手綱を緩める。PTは上下水道の公共事業に、二十九億レアルを投入するお膳立てができた。