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連邦判事が連警監察官脅迫=証拠のテープ要求=権力乱用の罪で3人告発

11月5日(水)

 【既報関連=エスタード・デ・サンパウロ紙、フォーリャ・デ・サンパウロ紙四日】エスピリト・サント州連邦道路警察のウェンデル・B・マットス監察官(三〇)は、サンパウロ州第七刑事裁のアリ・マズルーム連邦判事から脅迫されたと証言している。マズルーム判事は、三十日に展開された〃アナコンダ作戦〃で、組織犯罪、脅迫罪、権力の乱用の罪でほか二人の判事とともに告発されていた。
 マットス監察官は捜査のカギとなる人物で、マズルーム判事から裁判所で認可を得た盗聴録音テープすべてを渡すよう脅されたという。これによって、連邦検察庁は判事らを告発した。四日付のフォーリャ紙の情報によると、同監察官はきょう五日、ブラジリアの下院海賊版査察委員会で事情聴取される。
 ブラジルで暗躍しているタバコ密輸業者、ロベルト・E・シウヴァ容疑者(通称ロボン)の捜査作戦で、重要な役割を果たしていたのが同監察官。検察庁の依頼で、裁判所認可済みの盗聴録音のテープ起こしを実施、記録を整理していた。
 十一カ月にわたって、連邦道路警察は約四万回もの盗聴を行なった。その結果、明らかになったのは密輸問題だけではなかった。燃料会社ペトロフォルテのアリ・N・シウヴァ社長が首領格の犯罪組織の存在や、ロボンやシウヴァ社長をカバーしていた汚職問題も浮上してきた。
 検察庁は、マズルーム判事が、その汚職問題にかかわっていたと言明している。
 一方マズルーム判事は、シウヴァ社長や同社長のガードをしていたとされるアレシャンドレ・クレニッテ連邦警察警部への検察庁の告発を不当なものとして認めていない。同判事は、告発側に回された部分的な盗聴記録だけではなく、すべての録音を分析すべきだと主張している。
 エスタード紙によると、国庫監査役のレジーナ・E・クーニャ容疑者が、「ジョアン・カルロス(元夫のジョアン・C・R・マットス連邦判事)が〃盗み〃を働くのに、なぜわたしが殺すと脅されなきゃならないの」と、連警エージェントのセーザル・H・ロドリーゲス容疑者との盗聴電話会話で愚痴をこぼしていた。同紙は、「元妻、判事の汚職を認める」と報道。同判事は、組織犯罪に関与した連邦裁判事三人の一人として告発されていた。もう一人の被告発者は、カセム・マズルーム連邦判事である。