11月1日(土)
【エスタード・デ・サンパウロ紙、フォーリャ・デ・サンパウロ紙三十日】燃料や化学物質で汚染された地域がサンパウロ州内に七百二十七カ所あることが二十九日、Cetesb(サンパウロ州衛生設備技術センター)が発表した「環境汚染調査」で明らかになった。昨年五月に行われた同調査より四百七十二件も増えた。増加率は一八五%に及ぶ。土壌汚染の〃大悪党〃はガソリンスタンドで、環境汚染の六三%を占めている。サンパウロ市の汚染地域は三百十二カ所ある。
ガソリンスタンドによる土壌汚染の告発件数が増えたことで二〇〇二年以来、Cetesbは取締業務を強化してきた。国家環境審議会(Conama)は、Cetesbにこれらの商業の登録管理を任せている。
Cetesbのルーベンス・ラーラ・センター長は、「登録を管理し始めてから、燃料漏れなどで土壌汚染が確認された場合の措置が速くできるようになった」と説明する。「昨年、環境汚染の五三%がガソリンスタンドによるものだと思っていたが、これによって実は六三%だったことが分かった」。
告発されている汚染地域八千百カ所のうち、Cetesbが実際に取り締まったのは三千カ所のみ。「取締官の人数が足りなく、一度に全部を取り締まれないのが現状」と打ち明ける。
汚染地域は増加しているが、Cetesbは汚染地域の清浄企画を立てており、「汚染状況が改善されるだろう」と言明。昨年五月に百四十五件の企画が提案され、うちいくつかはすでに実行されている。
サンパウロ州環境局は二十九日、「不動産での汚染度評価ガイドブック」を発刊すると発表。同書は、Cetesbと複数のサンパウロ州機関が作成したもので、不動産関係者や土地の購入者、建設業者などに土地が汚染されているかどうか確認する方法を教える。
またCetesbは、「土壌品質保護および汚染地域管理」法案を作成中だと表明。汚染地域の取り締まり方法のほか、汚染の被害者に賠償する基金の設立などの案も盛り込まれている。
大サンパウロ市圏マウアー市のコンドミーニオ(分譲マンション)・バロンの土地は、数十年にわたって工場の有毒化学物質が不法に捨てられていた。二〇〇一年末に汚染地域であることが発覚し、住民たちが賠償訴訟を起こした。Cetesbは同日午後二時から同午後四時まで、各アパート内部の検査を行った。汚染ガス量やガスの種類の分析結果は十四日に出るもよう。