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よみがえるサンパウロ市中心街=〝化粧〟し直す街並み=文化施設は先進国レベル

11月1日(土)

 サンパウロ市の中心街は昔、とても美しい街だった。だが1970年代、大手銀行などがパウリスタ大通りや同市南部へ移転したことで徐々に廃れていった。そこでサンパウロ市は民間資本をもとに、中心街の活性化を実行。昔ほどではないが、しばらく中心街を歩いていない市民が見違える場所もある。中心街は少しずつ、美しく、きれいに、生き生きとした街に戻ろうとしている。

 ほとんど中心街へ行かない人々は、セー広場やレプーブリカ広場を見て驚くだろう。歴史的に重要な学園広場(Patio do Colegio)や市立劇場(Teatro Municipal)、セー大聖堂(Catedral da Se)などは夜間、ライトで照らされ、建築美を誇っている。
 多種の文化プログラムを提供する文化センター、常ににぎわうバール(バー)高級レストラン、国際チェーンホテルなども、中心街の活性化に貢献している。
 元ジューリオ・プレステス駅にあるサンパウロ講堂(Sala Sao Paulo)は、先進国並みの音楽センターとして不動の地位を固めた。
 さらにサンパウロ市とサンパウロ州の各局が、中心街にあった元のビルへ再度引っ越してくる。ジェラウド・アウキミン・サンパウロ州知事も、キンゼ・デ・ノヴェンブロ通りに知事室を設置する予定。
 来年1月、マルタ・スプリシーサンパウロ市長は、パトリアルカ広場の元マタラッツォ・ビル(バネスピーニャ)に市庁を移転するという。
 所狭しと道路一面を埋めていたカメロー(露天商)たちは、完全にいなくなったわけではないが、少なくともキンゼ・デ・ノヴェンブロ通りやお茶橋(Viaduto do Cha)、サンタ・イフィジェニア橋での営業をやめている。バロン・デ・イタペチニンガ通りとヴィンテ・イ・クアトロ・デ・マイオ通りでは、営業許可のあるカメローだけが屋台を並べている。
 中心街には、1日に220万もの人々が訪れる。同街の在住者は7万人。ビルの落書きが放置されていた頃の面影を残しているが、中心街に働く、あるいは住む人々は「街は良くなる」という希望を持つようになった。
 サンパウロ市制450周年記念祭に向けて、市内では数多くの企画が実行に移される。例えば、装飾専門家のSig Bergamin氏は記念祭開催期間中、パトリアルカ広場にイベント会場を設ける準備をしている。
 サンパウロ市は、中心街活性化計画を実施するために、米州開発銀行(IDB)から1億ドルの融資を受けている。市は3年以内に130カ所を活性化する計画だ。
 市が計画に投資する費用は6800万ドル。最初にドン・ジョゼ・ガスパール広場の市立市場(Mercado Municipal)の修築工事と、マリオ・デ・アンドラーデ図書館のIT(情報技術)化に使われる予定。
 シャヴィエール・デ・トレード通りには新しい歩道タイルが張られた。市立劇場前のラーモス・デ・アゼヴェード広場は再都市化された。マルタ市長は、「中心街が良くなるとみて、これから先の人生を考えている人も大勢いる。始まったからには途中でやめるわけにはいかない活性化運動である」と断言する。
 中心街の不動産市場も、活性化に合わせて活発になっている。例えば、コンソラソン通りの中心街側にあるアパートは、過去に6万レアルしていたものがつい最近まで3万レアルまで値打ちが暴落していた。だが、現在では4万5千レアルで交渉されている。
 (ヴェージャ・サンパウロ誌10月22日)