11月1日(土)
ことし四月から岐阜県可児市で行われてきた「外国人の子どもの教育環境に関する実態調査」の中間報告書が作成された。調査実施者は、厚生労働省「多民族文化社会における母子の健康に関する研究」班(牛島廣治班長)の分担研究グループ(中村安秀分担研究者)。
調査を担当した一人、小島祥美さん(大阪大学大学院、人間科学研究所、博士後期課程)は、このほど中間報告書を本社に送付してきたが、あいさつ文のなかでつぎのように述べている。
「外国人が多く暮らす地域では、外国人の子どもの不就学が深刻化しつつあり、〇二年十一月に開催された、外国人集住都市東京会議においても、外国人の子どもに関する就学状況の実態が議論された。
しかしながら、外国人の子どもの不就学、不登校の問題に取り組む際の最も基本的な資料となる、信頼できる就学状況調査はほとんど行われていないのが実情。(今度のわたしたちの)調査は全国初の試みで、外国人の子どもの就学状況を把握する実践的な調査方法の開発を目的に実施している。
この調査結果により、外国人子女の基礎教育享受機会の確保、拡大など、全国で共通する具体的解決策提示の可能性につながることを願っている」。
調査は、行政・民間団体・大学研究者による協働研究・調査である。小島さんたちと岐阜県、岐阜教育委員会、岐阜県国際交流センター、可児市、可児市教育委員会、可児市国際交流協会との〃協働〃だ。来年三月まで、引き続き実施される。