10月31日(金)
【フォーリャ・デ・サンパウロ紙三十日】二十八日午後九時から二十九日未明の間に、リオデジャネイロ市北部イーリャ・ド・ゴヴェルナドール区モーロ(貧民街のある丘)・ド・デンデーで、モーロの麻薬密売を仕切る犯罪組織の内部抗争が発生、麻薬密売人十二人が殺害された。この抗争で十一歳の女の子が右足を負傷している。三十日正午の情報によると、軍警約四百人が現在、モーロの警備をしている。
麻薬密売人らの命令で、モーロ周辺の商店街が閉鎖された。ある商店の従業員らによると、二十九日午前十一時ごろ、三十歳ぐらいの男二人が閉店命令を知らせて歩いたという。開店した者には報復するという脅しもかけられた。
警察によると、モーロ・ド・デンデーでは月に百キロのコカインが密売されている。リオ市南部ロシーニャ貧民街に次ぐ麻薬市場である。
二十九日午前、イーリャ・ド・ゴヴェルナドール区トゥビアカンガ街道で、七体の死体を乗せたコンビ車が発見された。また、三人の男が、同区のパウリーノ・ワーネック病院で死亡している。もう一人の男の遺体は、モーロに近いアルジャー街に放置されたパリオ車の中で横たわっていた。同車は二十八日にモーロ付近で盗まれたもの。最後の一体は、イーリャ・ド・フンドン区のリオデジャネイロ連邦大学(UFRJ)キャンパス内にあった。現在、身元を確認中。
事件には二つの説がある。第三十七警察署のジョゼ・P・C・シウヴァ署長によると、一つは、モーロの麻薬密売人三人が、麻薬密売ポイントの監督係のクラウデシー・O・ノキーニャ容疑者(二五)を闇討ちしたという説。
デンデーの麻薬密売は、犯罪組織TC(第三コマンド)の首領、ロミウド・S・コスタ容疑者(四六、通称ミウチーニョ)が仕切っている。ミウチーニョの弟、ロナウド・S・コスタ容疑者が二十六日に逮捕されたので、TC組員三人がモーロの麻薬取引場を横取りしようと図ったのではないかと考えられる。三人と一緒にほか五人がいたとされる。
ミウチーニョのおいであるノキーニャ容疑者は足を負傷し、現在入院中。軍警によると、同容疑者の住居は破壊されていた。
もう一つの説は、ミウチーニョの弟、ジョゼ・A・コスタ容疑者(四四、マイウソン)が首領の命令でノキーニャ容疑者闇討ちを実行したというもの。マイウソンは二十七日、仮釈放されていた。
この説を押す警官らは、マイウソンが犯罪組織TCプーロ(純第三コマンド)首領の一人、ネイ・ダ・コンセイソン容疑者(ファッコン)の援助を得たとしている。