10月25日(土)
【フォーリャ・デ・サンパウロ紙二十四日】銃器の所持・所有などを規制する銃規制法案が二十三日、下院で可決された。同法案は票決ぎりぎり前に、反対派の議員らの圧力を受け、一部変更された。
この法案は七月十七日、上院・下院議員で結成される国会銃器委員会で可決されていた。これから上院での票決待ちとなる。
今回の票決前に、ルーラ大統領は下院議員たちに「我々は、国民が『銃を持つ』ことを考える前に、食糧や就職、愛について考えさせるようにする義務がある」と語り、銃規制法案を可決するよう頼んでいた。
ここで、銃規制法案の内容を紹介する。(注=「所有」は銃を有すること。「所持」は銃を携えもつこと。家に置く場合は「銃の所有」、持ち歩く場合は「銃の所持」)。
[銃の所持]銃の所持の許可証は連邦警察が発行。場合によっては各州保安局との提携もありうる。
[銃の所持規制]一般人は銃の所持が禁止される。例外に入るのは軍隊の隊員や判事、検事、警官、国家情報局(Abin)所属者など。また、リスクの高い職業についている人や命を狙われる恐れがある人などは、特別に所持許可を得ることもできる。
[銃所持許可の取り消し]飲酒、麻薬使用状態で銃を所持していた場合は、銃所持許可を取り消される。
[銃に関係する犯罪]銃の不法所持の刑罰▼銃の不法所持は保釈が許されない犯罪である。むやみな発砲▼住宅地や一般道路で、何の理由もなく発砲するのは、保釈が許されない犯罪である。
[銃器購入者の最低年齢]銃器を購入できるのは二十五歳から。今までは二十一歳から購入が認められていた。
[銃の売買]銃器・銃弾の売買禁止は、国民投票で決められる。日程は定かではない。
[銃の購入]銃を購入する際、連邦、州、軍事、選挙司法裁判所が発行する無犯罪証明書が必要。また、職業や住居、精神異常者ではないこと、銃器を使えることを証明する書類も求められる。
ここからは変更された内容を紹介。
[警備会社と警備員]民間警備会社や現金輸送会社の従業員らは、銃所持許可を得るために無犯罪証明書が必要となる。会社側は、六カ月置きに従業員名簿を更新する義務がある。
[手数料]軍隊の隊員や刑務所・港湾・市内警備員、国家情報局(Abin)所属者、大統領府保安局所属者、農村地帯在住者などは、銃登録・所有手数料が無料となる。
[登録]軍隊のほか警察も、警察自身の登録証を発行する。法務省に登録情報を開放することが条件。
[非番]刑務所・港湾警備員は、非番の時でも銃所持を認められる。
[銃器取引]銃器取引は、四~十年の拘置と罰金の刑に処す。
[銃の輸出入]軍隊は、税関で銃器を輸出入することを認められる。
[手数料収入]銃登録手数料、銃所持手数料、書類更新料で得た収入は、連邦警察と軍隊で分けられる。