10月24日(金)
【既報関連】最強キューバに大善戦――。キューバで開催中の野球W杯の準々決勝でブラジルはキューバに三対四で惜敗、惜しくも四強入りを逃した。先制されながらも、粘り強い試合運びを見せたブラジルは九回表に逆転しながらも、九回裏にキューバに本塁打を許し逆転サヨナラ負けした。
佐藤允禧監督率いるブラジルは、指名打者(DH)を含む先発十人中日系人が八人。イビウーナ市のヤクルト野球アカデミーから日章学園(宮崎)に留学し、昨年プロ野球セ・リーグの中日入りした瀬間仲ノルベルトや、元ヤクルトの選手で現在、社会人野球のミキハウスで活躍するロドリゴ渡辺らプロアマの最強メンバーで構成されている。
日本や米国など強豪が揃った予選リーグ七試合を四勝三敗で乗り切ったブラジルは、初の準々決勝進出だった。
過去最多の優勝回数を誇るキューバは、地元開催ということもあり、ブラジルの不利が予想されていた。三回に本塁打で二点を失い、先制されたブラジルは四回に、グループリーグ最終戦でも本塁打を放った瀬間仲の活躍で一点を奪う。さらに六回にはレイナウド佐藤の安打で、同点に追い付いた。
三菱重工で活躍するクレーベル・オジマの力投で試合は引き締まった展開となり、八回を終わった段階で二対二のタイスコア。
四強入りに執念を見せるブラジルは九回表にレーナン佐藤の本塁打で、三対二と試合をひっくり返した。しかし、地力に勝るキューバに対し、オジマは九回裏に痛恨の逆転二点本塁打を許し、サヨナラ負けした。ブラジルは過去八大会連続優勝を飾っているキューバの八本を上回る十安打を放ちながら、惜敗した。
準決勝に進んだキューバは、米国を二対一で下した台湾と対戦する。また、韓国に二対〇で快勝した日本は、パナマと対戦する。
ブラジルは二十三日、五位決定戦進出をかけて、米国と対戦、敗れれば七位決定戦にまわる。日本や米国など優勝候補と同じグループに振り分けられただけに、準々決勝進出も難しいと見られていたブラジル。最強のキューバ相手の善戦にサンパウロ州野球連盟のマサ・フジモト事務局長は「いい試合内容だった。まだ試合が残っているので頑張って欲しい」とエールを送った。