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コラム 樹海

 最近の日本では結婚嫌いが増えているらしい。二十歳代の人々だと「結婚は必ずしも必要ではない」の回答が六九%にも達しているそうだから驚く。「女性は結婚しなくとも、十分に幸せな人生をおくることができる」と思っている人が五二%もいると知れば、誰しもがびっくりする。今や少子高齢化の時代だが、結婚が嫌われていることも子供の数を減らしている大きな理由ではあるまいか▼そういう眼で日本の新聞や雑誌などを見ていると「結婚相談所」の広告が飛び込んでくる。お見合いに始まって交際のイロハをも教えるらしいのだが、あの手のものは三十年―四十年前には無かったように記憶している。まだお見合いはあったし、仲人さんが文字通り草鞋を履いてお嫁さんやお婿さんを探してきては両親も立ち会いで厳粛な「お見合い」の儀式を開いたりもする▼勿論、恋愛方式が主流にはなっていたし、我が友人らは自由闊達派が多かったけれども、生地に残った人々は昔ながらの「お見合い」派が一杯いた。村や町には、仲人が趣味のような人がいて若い世代の世話を焼くのを仕事と心得ていたのか―本当に真面目に取り組んでいた。今の結婚嫌い組が増えたのも、あるいはこうした奇特なご仁が減りいなくなってしまったからかもしれない▼「男性は結婚し、家庭をもって、初めて一人前だ」と考える向きも四五%に止まっているとかだし、どうも結婚の先行きはあまり明るくはない。と言って相談所ばかり増えるのも如何かとは思うけれど。(遯)

03/10/21