10月17日(金)
[既報関連]「今年は例年になく子供たちの絵が明るいんですよ。日本でも、ブラジルの子供たちの絵は明るい、と評判はいいんですが。(子供たちは)世相に敏感なのでしょうか」―一日、ブラジル農協婦人部連合会(ADESC)の上芝原初美会長は、文協内の日系美術館で子供たちの絵をこう講評した。
本紙既報(九月二十四日付)のとおり、今年も(社)家の光協会の主催で、日本で開催される「世界こども図画コンテスト」にブラジルの子供たちの絵が出展される。図画コンテストは今年十一回目を数える。ADESCは、第一回目から子供たちの絵を日本に送っている。
会員たちは母親なるがゆえに、子供たちの心の動きや夢に敏感なのだ。今年は約一千点の応募作品の中から二百八十点が選考されて、去る九日、日本に発送された。
今年のテーマは「友達」だったため、顔を書いた作品が多かった。顔は顔でも牛の顔を描いた作品も多く、農家の子供たちが家畜と親しんでいる心情がほほえましい。栖原マリーナ指導員によると、六歳から八歳の子供たちの絵が非常に多く、九歳と十歳の絵が減少し、十一歳になるとまた多くなるように、子供たちの心理に波があるようだ。応募資格は昨年までは十三歳が上限だったが、今年から十五歳まで引き上げられた。が
、初めてのためか、ブラジルではこの年代の作品は少なかった(栖原さん談)。
昨年は世界五十六カ国から三万七千五百二十八点、日本国内から一万一千百六十四点、合計五万点近い作品が出展された。過去十回までのブラジルの子供たちの作品は金賞七人、銀賞十三人、銅賞十一人、特別賞十九人、と誇るべき実績を示している。子供・絵の教師・母親の三位一体の努力の賜物でもある。
食材としての大豆キャンペーンやおふくろの味を満載したカゼイロ食品の工夫などで高い評価を得ているブラジル農協婦人部連合会は、子供たちに心の糧も存分に提供しているようである。〃母は強し〃を行動で証明している。