10月15日(水)
【エスタード・デ・サンパウロ紙十二日】二十世紀は女性の高学歴化が進んだとされる。十一日開催された科学技術賞の授与式で受賞者六人のうち、五人が女性であった。研究のための資金不足と手続きの複雑さ、科学者の就職難などの問題を突破し、女性はさらに結婚や育児など男性より厳しい条件下でハンディを克服しての栄冠なのだ。
受賞者の一人、アドリアナ・ロレンツィさん(二六)はピラシカバ農大卒業後、核エネルギー研究室で飲料水の中に生息し腎臓病を引き起こすシアノバクテリアの生態に取り組んでいた。
米国留学の誘いもあったが、母校に残り博士過程に進むと、本人はいう。
女性は指先が器用で辛抱強く奉仕精神があるので、研究に向いている。バクテリアの研究に取り組んだら、結果が出るまで日曜日も休日もない日程だ。
畜産学では、女性は身長が低く体力もないので不利だと語る。企業の研修では男性のほうが優先されるらしい。しかし、大学の研究室では女性が絶対優勢。
リジア・V・ペレイラさん(三六)は、USPの生物学科でネズミの幹細胞研究を行っていた。女性は研究を優先すると、三十五歳以後しか出産ができないと述べた。米国は託児所が少なくベビシッターは高く、女性研究者には、ブラジルが恵まれているという。
ブラジルの研究室は娯楽番組と、ルーラ大統領に叱責されたが志半ばで挫折する研究者も多い。かつては女性が、研究主任になることはなかった。いまは認められ、女性の主任が多い。