10月11日(土)
【エスタード・デ・サンパウロ紙十日】ジェットゥリオ・ヴァルガス財団(FGV)調査部は九日、今年第四・四半期に二〇〇〇年以来初めて雇用が解雇を上回ったと発表した。全国二十五州で二十一部門の五百社を調査したところ、二一%の企業が新規雇用に踏み切り、一八%が解雇継続とした。第四・四半期の需要予測は、四四%が需要回復、一八%が減退継続。生産予測では四一%は経済活性化を予測、二四%は後退と答えた。
鉱工業の多くは、産業界をリードする金融市場の活況を反映して増産体制に入ったようだ。鉱工業の加工部門は二〇〇〇年以来、初めて新規雇用が解雇を上回り生産のつち音が鳴り始めた。調査は三十九万人の労働者を擁し、千百十六億レアルを生産する五百社を対象に行われた。
FGVは調査結果に、三つの現象を読み取れるという。過去一年間は、どの四半期でも解雇が雇用を上回っていた。鉱工業の雇用回復は、経済活性化の前ぶれとみている。年度末に生産が定着するのは、一時的雇用の現象ではなく正式雇用の表れだとしている。
例えばバイア州カマサリの家電製品メーカーは、六百五十人の正社員に八、九月、二百五十人をさらに新規採用した。また、十一月には百人増員予定だ。これらは臨時雇用ではなく、正規雇用だとしている。
同メーカーは市場で、扇風機の需要が恒常的に伸びているので増産体制に入った。上半期の扇風機需要は昨年同期比四六%増であったが、下半期は六〇%増を見込んでいる。同メーカーは昨年、扇風機を六千六百万レアル売り上げた。
FGV調査では一六%の企業が需要に弱気であるのに対し、四四%の企業が今年第四・四半期に需要の増加を見込んでいると指摘した。これまでの調査は国内市場を対象としたが、世界経済の回復兆候が見えたことで輸出にも明るい日差しが入り始めている。
生産では二四%が落ち込むとみているのに対し、四一%が楽観的観測をしている。この差は、今年第四・四半期に結果が出るとFGVは予測している。FGV調査は来年上半期に、企業の四八%が生産量を二〇〇二年上半期の水準に引き戻すとみている。
年度末のクリスマス商戦は、臨時雇用をされた従業員で活気を戻している。売上トップのカーザ・バイアは臨時要員千三百人を採用し、昨年同期比三〇%増の売上に挑戦している。南伯地方に三百二十支店を持つロージャス・コロンボは、昨年の二倍に当たる八百人の臨時要員を採用した。
今年の臨時要員採用は全国で一万五千人、昨年比二〇%増であった。商店は十、十一月の売上高とローンの金利で、クリスマスの売上高を算出する。カーザ・バイアは十二月の売上だけで六億レアルとしている。ロージャス・コロンボは昨年同期比で売上四五%増に設定した。今年のクリスマス商戦に、どこも売上を昨年比四〇%から五〇%増を見込んでいるようだ。