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コラム 樹海

 衆院が解散し十一月九日の投票が決まった。とは言っても、この日程はかなり前から決まっていたしやっと選挙かの感じもする。衆議員諸公は選挙区に向かい新人候補も「清き一票」を求めて奔走しているに違いないが二十一世紀になって初めての衆院選挙であるばかりではなく「政権公約」を国民に問う厳しい選挙でもある▼小選挙区三〇〇比例代表一八〇の計四八〇議席に対し、小選挙区には一〇〇二人が立候補を予定しており競争率は三・三倍。自民党は比例代表も難しい。七十三歳定年制を決めたけれども、中曽根康弘元首相は八十五歳。宮沢喜一元首相が八十四歳と定年を軽く突破しているが、ご両人は出馬に意欲を燃やし小泉首相も「例外のない規則はない」と、どうやら公認の方向らしい▼引退・不出馬が四十六人と多いのもこの選挙の特徴だろう。問題発言が多く話題となった内務官僚から政治家に転じた奥野誠亮氏は九〇歳は卒寿での引退。実力派の代議士・野中広務氏の政界隠居は時の流れと見るべきか。共産党の顔・不破哲三氏も立候補をやめて永田町から去って行く。公明党の名物男・市川雄一氏もが波乱に富む世界にお別れ▼「小泉・安倍」に対する「菅・小沢」の選挙とされるけれども、中小の政党はどうなるのかにも注目したい。共産党は三一六人もが出馬しているが、前回選挙で小選挙区で当選した人は一人もいない。あの不破哲三氏さえもが比例当選なのだし、この選挙は土井たか子党首が率いる社民党などと苦しい戦いになるのではないか。  (遯)

03/10/11