10月10日(金)
[既報関連]十一、十二の両日、玉城流扇寿会ブラジル初公演がサンパウロ市内各所で開かれるが、本番に先立ち、同会家元の谷田嘉子さん、金城美枝子さん、玉城流扇寿妙の会会主の比嘉美好さんら師範、教師総勢十七人が三日と八日にわけて来伯した。八日、来社した谷田さんらは、「二世、三世の若者たちにも本場の踊りを観てもらいたい」と多くの来場を呼び掛けた。
同公演は沖縄県人移民九十五周年記念事業の最後を飾る催し。谷田さんらは七七年、県人会会館建設基金チャリティー公演のため初来伯、その後、移民八十周年記念公演などに出演したが、扇寿会のみの公演は今回が初めてという。
公演の内容は「古典舞踊は文協で一題、県人会で二題披露。そのほかは創作舞踊です」と明かす谷田さん。また、今回、沖縄のベテラン陣と共演する在伯随一の秘蔵弟子、斎藤さとるさん(一六、サンパウロ)について、「私たちも応援して、将来はブラジルで扇寿会を担う人になって欲しい」と期待を寄せた。
比嘉さんは公演に向けて、「最初はブラジルで三世、四世の小さな子どもが琉舞をやっているのが不思議だった。これからは、公演を機会に、よりお互いに交流をはかってくれたら」と笑顔。金城さんは、「郷土から離れたところで郷土芸能を学んでいる若者たちに、本場の踊りを観てもらいたい」と意欲的に語った。
谷田さんらとともに来社した宮城調智県人会会長は、「三人とも県の無形文化財に指定されている実力派。素晴らしい舞踊が観られます」と太鼓判を押した。
初公演は十一日午後三時から沖縄県人会会館、十二日午後三時から文協講堂で。入場料は二十レアル。問い合わせは、沖縄県人会(電話・11・3106・8823)まで。