「秩序と進歩」―はブラジルの大目標。しかし最近の報道によれば、所得格差は拡大一方、この十年間に国内三分の二の都市で貧富差が広がったという。
進歩が先行してきた現実が改めて浮き彫りになった格好だ。
一九七〇年に開かれた大阪万博のテーマは「人類の進歩と調和」だった。世界はあれからどう変っただろう。人類のエゴは相変わらず。秩序や調和よりも進歩、進歩だ。
二年後の愛知万博が掲げるのは「自然の叡智」。今度はエコに重点を置く。人間中心の二十世紀から自然との共生を理想に見据える二十一世紀への転換をここに謳う。
ブラジルは万博への参加をまだ正式表明していないが、緑の大国。エゴとエコの相克を乗り超える見本を示すべき役割が期待されている。 (大)
03/10/07