JICAなど主催のシンポジウム「平和文化構築のための初期の子ども時代」が九月二十八日から三十日まで、サンパウロ市内で開かれた。
発表者は国内民間団体や大学関係者、中米諸国の代表ら。出産後の第一幼児期が、将来の人間形成のため、いかに重要かを活発に議論した。
日系団体の参加がないため、邦字紙では取り上げにくいところだが、出産や育児について、「日系人は関係ない」とはいえない。
幼児期に人間的な愛情と教育を受けてこそ、子どもは健全な発達を遂げる。しかし、昨今では貧困層でも裕福な家庭でも、子どもの「愛情と教育を受ける権利」は剥脱されつつある。
日系社会でも子が親を傷つけ、裏切り、挙げ句の果てに殺してしまう事件が起きている。親が考える「愛情」と子が感じる「愛情」は、一致するとは限らない。(さ)
03/10/04