先進的なコンドミニオとして知られるアルファヴィレが今年、三十周年を迎えた。創立者レナート・デ・アウブケルケ氏の共同経営者として建設・設計にあたったのは、戦前のコロニア衛生教育に尽力した高岡専太郎医師の次男・庸次郎氏(故人)だ。
同じ設計思想を持つ郊外型高級住宅区は現在、国内に二十二ヵ所、ポルトガルに二ヵ所もある。治安など、今日の都市部の生活環境悪化を見越したかのように建設され、追随する同業他社は数知れない。
国内トップ10に入る大建築会社を育て上げた日系二世――。コロニアには縁遠いイメージの庸太郎氏だが、実はアルファヴィレ近辺の日系団体からの要請には、喜んでポケットマネーを渡していたそう。 (深)
03/10/01