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コラム 樹海

 五年後にせまった日本移民百周年。先月半ばに「記念祭典協会」が発足した。サンパウロ州の主な団体はむろんのこと、リオ、パラナ、南マ州からもはるばる参加、四十九の団体代表が出席したのだからやる気十分、幸先よいスタートといってよい▼定款(日本語版)は不備な箇所など整備されてすんなり承認された。会の目的は「日本人およびその子孫のブラジル社会との統合」「日本文化のブラジルにおける普及、ブラジル文化の日本における普及」且つまた「日伯間の社会、文化、経済的交流の促進を図る」としている▼これなら移民一世も得心したであろうし、その子弟、即ち二、三、四世諸氏も納得し、積極参加を試みるだろう。細心の気を配った〃規定〃である。これら定款は文協法務委の法律専門家らによって作成された。新民法の規定を考慮したというから非の打ちどころが無い▼上原幸啓・理事長(文協会長)はいま、海外日系人大会に出席のため訪日中だ。日本の有力者、主だった諸官庁を訪問、百年祭への協力を懇請している。この祭典に対する日本側の姿勢、関心度を読みとって帰伯するはずである。具体的交渉は、当方の事業計画が決まった段階で行われようが、寄付に関していえば日本の景気に左右される公算が強い▼何はともあれ祭典事業計画がはっきり打ち出されない限り一歩も進まない。数ある計画案の中から何が選ばれるのだろうか。決定にあたり、協会が冷厳な目をもって判断するよう望みたい。  (田)

03/10/01